THINKLAB
← はじめてのAI実践へ

PRACTICE 01 · MEETING NOTES

会議メモを、
確認しやすい議事録にする

会議後のメモは発言順で残りがちです。しかし次に必要なのは、誰が何を決め、誰がいつまでに動くかです。AIは会議の結論を決める道具ではありません。散らばった記録を、参加者が確認しやすい順番へ並べ替える補助者として使います。

BEFORE / AFTER

読む前

会議メモをAIに渡してよい範囲と、出力をどう確認するかを決められる。

読んだ後

決定事項・未決事項・担当者・期限が分かれた、確認用の議事録を作れる。

最初に決めるのは、AIに任せる範囲

AIへ渡す前に、会議メモの中に個人情報、顧客名、未公開の数字、契約内容がないかを見ます。外部サービスを使う場合は、会社のルールとサービス設定を確認してください。必要なら「A社」「担当者B」のように置き換えます。内容をすべて消す必要はありませんが、特定につながる情報を必要以上に渡さないことが基本です。

次に、AIへ求める役割を一つに絞ります。「議事録にして」よりも「後から確認するために分類して」と考える方が安全です。会議の結論が曖昧だった部分までAIに埋めさせると、もっともらしい誤りが混ざります。分からない点を「要確認」と残すことを、最初に指示してください。

手順1:材料を整える

手元のメモを見て、発言の記録、確定したこと、まだ決まっていないことを大まかに区別します。言い直しや雑談を整えるのはAIに任せられますが、「誰が最終承認したのか」「期限は本当に決まったのか」は参加者にしか確定できません。聞き取れなかった箇所は、空欄のままにしておきます。

録音の文字起こしを使う場合も同じです。文字起こしには話者の取り違えや聞き間違いが含まれます。AIに渡す材料は原本であり、正解そのものではありません。人がざっと見て、明らかな誤字、会議外の発言、不要な個人情報を取り除いてから進めます。

手順2:四つの箱へ整理させる

おすすめは、決定事項、未決事項、担当者と期限、次回までの確認事項の四つです。文章をきれいにするより、確認が必要な点が見えることを優先します。会議を欠席した人も、何を見ればよいか分かります。

依頼文の例

以下の会議メモを、次の4項目に分けて整理してください。

1. 決定事項
2. 未決事項
3. 担当者と期限
4. 次回までの確認事項

条件:元メモにない内容を推測で追加しない。判断できない内容は「要確認」と書く。担当者と期限は、確認できる場合だけ記載する。

【会議メモ】
(ここに、入力してよい範囲のメモを貼る)

会議の種類に応じて「リスク」「顧客への連絡」などの欄を追加できます。ただし最初は項目を増やしすぎない方が、出力を確認しやすくなります。

手順3:元メモと照合する

出力を受け取ったら、読みやすい文章かより先に、重要な事実を元メモと照らします。決定事項と未決事項が混ざっていないか、担当者の名前が正しいか、期限が新しく作られていないかを確認します。「確認します」という発言を、AIが「実施する」と強く書き換えていないかも見ます。

下書き作成と、原資料との照合・参加者への確認を分けて記録します。最終版は、会議の責任者または参加者が確認してから共有してください。

よくある失敗

  • 「きれいな議事録にして」とだけ頼む。 重要な未決事項が消えることがあります。
  • AIの補完をそのまま採用する。 話していない期限や担当者が追加されることがあります。
  • 出力をそのまま全員へ送る。 少なくとも決定事項・担当者・期限は参加者と確認します。

次回から、チームで使える形に残す

一度うまくいったら、依頼文と議事録の見出しをテンプレートとして残します。「プロジェクト定例用」「営業打ち合わせ用」のように会議の種類ごとに少し変えると実用性が上がります。入力してはいけない情報と、最終確認者も一緒に書いておきましょう。

AIは会議を代わりに運営しません。けれど、会議後に誰が何を確認すべきかを見える形にする助けにはなります。作業時間や修正量を記録し、記録作成の負担が実際に減ったかを確認してください。

練習:決定と検討を混ぜずに整理する

以下は編集部が作成した架空の会議メモと整理例です。特定のAIで実測した出力ではありません。上の依頼文にこのメモを入れ、返ってきた内容を表と照合してください。

練習用の入力例

研修会の開催は決定。日程は未定。佐藤が会場候補を3件調べる。調査期限は次の会議で決める。田中はオンライン開催も検討したいと発言。オンライン開催への変更は決まっていない。

照合に使う整理例
分類整理する内容確認する点
決定事項研修会を開催する日程や形式まで決定扱いにしない
担当者と期限佐藤:会場候補を3件調べる。期限:要確認佐藤の担当は明示されているが期限は未定
未決事項開催日程、調査期限、オンライン開催への変更田中の提案を決定事項に変えない
次回までの確認事項開催日程と調査期限を確認するオンライン開催案の扱いも参加者に確認する

合格の目安は、明示された担当を残し、未定の日付を作らず、検討案を決定へ変えないことです。出力が「田中がオンライン開催を担当する」となったら、元メモにない担当なので削除し、検討案へ戻します。文章が表と違っても、事実の区別が保たれていれば照合できます。