AI TOOL DATABASE v2
Milvus
dense・sparse・BM25・マルチベクトル検索を組み合わせ、大規模RAGやマルチモーダル検索を構築できる分散ベクトルデータベース。
選定サマリー
30秒で向き不向きを確認
AI位置づけ
AIネイティブ(AIそのものが中核のサービス)
向いている
大規模なRAG・ベクトル検索基盤を自社設計したい開発チーム
向いていない
数千件程度の小規模データで最小構成だけを求めるケース
料金
Milvus OSSは無料。マネージド運用が必要な場合はZilliz Cloudを利用でき、利用リソースに応じて課金されます。
最大の強み
Apache 2.0のOSSで大規模分散構成まで拡張できる
注意点
分散セルフホストでは運用・監視・容量設計の負担が大きい
THINKLAB判定
数百万〜大規模vectorを扱い、denseだけでなくBM25・sparse・multi-vectorまで検索品質を作り込みたいチームに有力なOSS基盤です。
概要
MilvusはZillizが中心となって開発するApache 2.0のオープンソースベクトルデータベースです。
高次元ベクトルのANN検索に加え、sparse vector、組み込みBM25全文検索、複数vector fieldを横断するHybrid Search、metadata filtering、rerankingを組み合わせられます。
概要の続きを読む概要を閉じる
Standaloneや分散構成でセルフホストでき、ローカル開発向けMilvus Liteも提供されます。
インフラ運用を避けたい場合はZilliz Cloudというフルマネージド版を選択できます。
主な機能
分散ベクトル検索
大量のvectorデータを分散構成で保存・index・検索し、RAGや推薦、類似検索のretrieval layerとして利用できます。
Hybrid Retrieval
semantic dense searchとkeyword-awareなsparse/BM25 searchを組み合わせ、片方だけでは拾いにくい検索結果を補完できます。
豊富なindex
FLAT、IVF、HNSW、DiskANN系、sparse inverted index、GPU indexなど用途に応じたindexを選択できます。
Scalar filtering
vector similarityにmetadata条件を組み合わせ、tenant、カテゴリ、日時などで検索対象を絞り込めます。
複数deployment
Milvus Lite、Standalone、Distributed、Kubernetes等から規模に合わせて構成を選べます。
AI機能の詳細・制約はページ下部の「詳細情報」にまとめています
活用例
個人・一般
大規模RAG
文書embeddingとBM25を併用し、LLMへ渡す関連コンテキストを大規模コーパスから検索する。
マルチモーダル検索
テキスト・画像など複数vector fieldを検索して結果を統合する。
推薦・類似検索
商品、ユーザー、コンテンツ等のembeddingから近傍候補を高速取得する。
業務・組織
企業ナレッジ検索
社内文書をdense + BM25で検索し、固有名詞と意味類似性の双方を考慮したRAGを構築する。
大規模AI検索基盤
検索量やvector数の増加に合わせて分散構成へ拡張し、複数AIサービスのretrieval基盤として共有する。
料金
Milvus本体はApache 2.0で無料です。
サーバー・ストレージ・GPU等のインフラ費用は利用者負担。
Zilliz Cloudはフルマネージド版として利用量ベースで提供されます。
無料枠あり
Milvus OSS
無料
Apache 2.0。Lite、Standalone、Distributed等を自社環境へ導入。インフラ費用は別途必要。
Zilliz Cloud
利用量ベース
Milvusのフルマネージドサービス。最新の無料枠、CU、storage等の単価は公式Pricingで確認。
Enterprise
構成に応じる
大規模・専用構成・企業要件はZillizの最新契約条件を確認。
公式 Pricing ページを開く料金確認:2026年8月26日
強み・弱み
強み
- Apache 2.0のOSSで大規模分散構成まで拡張できる
- dense・sparse・BM25・multi-vector hybrid searchを統合
- 多数のANN indexとGPU indexを選択可能
- RAG・推薦・マルチモーダル検索など幅広いretrieval用途に対応
弱み
- 分散セルフホストでは運用・監視・容量設計の負担が大きい
- indexや検索パラメータの選択肢が多くチューニング知識が必要
- 小規模用途ではより軽量なvector storeの方が簡単な場合がある
比較・競合
迷うときの比較軸
- vector規模
- Hybrid Search
- BM25
- index種類
- GPU
- セルフホスト
- 運用負荷
- Cloud選択肢
THINKLABの結論
選定サマリーの判定を、選び方として整理したものです。
選ぶべき場合
RAGやAI検索を将来大規模化する前提で、index・GPU・分散構成・Hybrid Searchを自社要件に合わせて制御したい場合。
別製品を選ぶべき場合
小規模データを最短で扱いたいだけで、分散DBや検索チューニングの運用コストを持ちたくない場合。
確信度: high
詳細情報
導入判断の本線から外した補足です。必要な項目だけ開いてください。
AI機能の詳細
Dense / Sparse Vector Search
dense embeddingによる意味検索と、SPLADE/BGE-M3等のsparse embeddingによる語彙重視検索を同じデータベースで扱えます。
制約
検索品質と必要メモリはembedding、index、metric、top-k等の設計に依存します。
BM25 Full-Text Search
VARCHARフィールドをanalyzerで解析し、組み込みBM25 Functionがsparse vectorを生成してSPARSE_INVERTED_INDEXで全文検索します。
制約
日本語等ではtokenizer/analyzer設定が検索品質に大きく影響します。
Multi-Vector Hybrid Search
複数のANN検索を同時実行し、dense・sparse・画像など異なるvector fieldの結果をRRFやWeighted scoringで統合します。
制約
複数検索の重み付けとrerankingは評価データを使って調整する必要があります。
GPU Index
GPU_CAGRA、GPU_IVF系などのGPU indexを利用し、高スループット・高recallの検索ワークロードを高速化できます。
制約
GPU indexにはmetricやtop-k、機能上の制限があり、CPUより常に低遅延になるとは限りません。
向き不向き(一覧)
こんな人におすすめ
- 大規模なRAG・ベクトル検索基盤を自社設計したい開発チーム
- denseとBM25/sparseを組み合わせて検索品質を調整したい組織
- OSSセルフホストとマネージドCloudの選択肢を持ちたい企業
おすすめしないケース
- 数千件程度の小規模データで最小構成だけを求めるケース
- インフラ・index・検索評価を一切運用したくないチーム
プラットフォーム / API
対応プラットフォーム
- Linux
API
あり · API / Docs
セキュリティ / データの扱い
セルフホストではネットワーク、認証、TLS、バックアップ等を利用者が管理します。
Zilliz Cloudではマネージド環境向けの企業セキュリティ機能が提供されます。
取扱い: Milvus OSSではデータは利用者が選んだstorage・インフラに保存されます。Cloud利用時はZilliz Cloudの地域・保持・セキュリティ条件を確認してください。
学習・送信: Milvus自体は検索データベースでありLLM学習サービスではありません。接続するembedding/LLMプロバイダーの学習利用条件は別途確認が必要です。