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PRACTICE 03 · DOCUMENT OUTLINE

資料の白紙を、
構成案からなくす

資料作成で時間がかかるのは、文章を書くことだけではありません。何を伝えるか、どの順番なら相手が理解できるか、情報が足りているかを考える時間です。AIには完成した資料を書かせるのではなく、構成の候補と確認すべき材料を出させます。

BEFORE / AFTER

読む前

AIに資料を丸投げして、事実や目的がぼやけることを避けられる。

読んだ後

読み手と目的に合わせ、見出し・必要情報・確認点を並べた構成案を作れる。

資料は「誰に、何を決めてもらうか」から始める

資料を作る前に、読み手と目的を一文にします。たとえば「初めて内容を知るメンバーに新しい業務ルールを理解してもらい、期限までの対応を決めてもらう」「経営会議で施策の選択肢を比較し、次の検討方針を決めてもらう」といった形です。目的が違えば、必要な数字、背景説明、結論の位置も変わります。

AIに「提案資料を作って」と頼むだけでは、一般的できれいな見出しが返ってくるかもしれません。しかし、その資料が自分の相手にとって必要な順番とは限りません。AIへ渡す前に、人が目的と読み手を決める。目的と読み手を確認してから、構成を評価します。

手順1:確定した事実と、まだ足りない情報を書く

次に、すでに決まっている事実を箇条書きにします。日付、対象範囲、数字、現状、制約、既存の決定事項です。同時に、まだ分からないことも書き出します。AIに資料を作らせる前に不足情報を整理し、原資料にない内容が加わっていないかを確認します。

ここで大切なのは、アイデアと事実を混ぜないことです。「売上を上げたい」は目的、「前月比で何%変化した」は事実、「新施策を試す」は選択肢です。種類を分けておくと、AIが作る構成案を人が評価しやすくなります。

手順2:各ページに必要な材料を出させる

最初に頼むのは、本文ではなく構成案です。5〜7枚程度の資料なら、各ページについて「見出し」「伝えること」「必要な材料」「不足している情報」を出させます。まず必要な項目と足りない材料を一覧にし、根拠のない情報が混ざっていないか確認します。

依頼文の例

次の目的に合わせて、5〜7枚の説明資料の構成案を作ってください。

目的:(例:社内向けに新しい業務ルールを説明する)
読み手:(例:初めて内容を知るメンバー)
すでに決まっている事実:
・(ここに事実を書く)

各ページについて「見出し」「伝えること」「必要な材料」「不足している情報」を箇条書きで示してください。事実を補わないでください。

構成案を見て、「結論が先か、背景が先か」「読み手が知りたい順番か」を考えます。ここはAIに正解を決めさせる場面ではありません。複数案を出させ、読み手に最も伝わる順番を人が選びます。

手順3:構成をレビューしてから、本文へ進む

構成ができたら、資料の完成を急がず、一度レビューします。目的に対して結論が弱くないか。必要な根拠が足りているか。数字や決定事項の出典を示せるか。読み手が次に何をすればよいかが分かるか。不足が見つかったら、本文を書く前に原資料や担当者へ確認します。

本文の下書きをAIへ頼むなら、使ってよい材料を限定します。「以下の箇条書き以外の数字や事実は追加しない」「確認できない内容は要確認とする」と条件を入れてください。AIは説明を滑らかにするのが得意ですが、事実確認と意思決定は人の仕事です。

よくある失敗

  • 最初から「パワーポイントを作って」と頼む。 目的に合わない一般論の資料になりやすくなります。
  • AIが作った数字や事例を使う。 数字・固有名詞・出典は必ず元資料へ戻って確認します。
  • 読み手を指定しない。 経営層、現場、顧客では必要な説明の深さが違います。

構成案で、必要な材料を確認する

AIで作った構成案の価値は、資料作成を自動化することだけではありません。早い段階で「この資料は何を決めるためのものか」「足りないデータは何か」をチームで話せることです。構成を共有し、必要な材料を集め、最後に人が判断して仕上げる。こうした流れなら、AIは思考を省くのではなく、考える場所を前へ移します。

うまく使えた依頼文と構成案は、次の資料にも使えます。月次報告、提案、研修、業務変更の案内など、用途別に型を残し、同じ確認基準で次回の構成も見直してください。

練習:不足情報を残した5枚の構成案

以下は編集部が作成した架空の社内説明資料の例です。特定のAIで実測した出力ではありません。上の依頼文へ材料を入れ、各ページが目的に必要か、未定事項を事実へ変えていないか照合します。

練習用の入力例

目的:新しい問い合わせ受付ルールをメンバーに説明する。確定:受付を共通フォームへ集約する。対象は社内の問い合わせ。未定:開始日、担当者、回答期限。現状の件数と作業時間は計測していない。

照合に使う整理例
ページ伝えること必要な材料・不足情報
1:変更の目的社内問い合わせを共通フォームへ集約する変更目的の説明。削減率など未計測の数字は書かない
2:対象範囲対象は社内の問い合わせ対象外の相談があるか確認する
3:利用手順フォームへの入力と送信の流れ実際のフォームURLと入力項目が必要
4:受付後の対応誰が受け取り、いつ回答するか担当者と回答期限は未定として残す
5:開始前の確認開始日と問い合わせ先を決める開始日、担当者、案内文を確定する

「作業時間が30%減る」といった数字や、存在しないフォームURLが入っていたら採用しません。構成だけで完成扱いにせず、不足情報の担当者を決めて材料を集めます。確定した事実、提案、未定事項を分けられれば、次の本文作成へ進めます。